せっせと

せっせとせっせと。

他人の足を気付かれないうちに取っては嵌めている。もちろん、彼は気付いていない。傷ひとつ付いていない。

もちろん、足も一つしか付いていない。

僕はそれを悲しいことだと思う。でも、誰も被害届を出さない。正直、僕はこの足要らないのだから、返せばいいと思うのだが、この足を返してしまうと、足を取られてしまったことに気付いてしまった彼が、遂には、そうなってしまう。

むしろ、こんな足をもらってしまって僕はびっこを引いてあるく羽目になってしまった、許さない、と怒ってやるべきなのではないだろうか。

と、ひとりごちながら、さむらごうちながら、耳を塞いで目を潰す。

胃は既に溶けてなくなってしまっている。恥の多い生活も何も、恥はとうに潰えた。

そーんな日々を送っております。